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双極症の人が働く際の注意点

双極症の人が働く際の注意点

双極症(双極性障害)は、躁状態とうつ状態が繰り返される病気ですが、適切な治療と環境の整備により、多くの人が仕事を続けたり新たに職場復帰したりすることができます。

しかし、気分の波が職場でのパフォーマンスや対人関係に影響を及ぼすこともあるため、働く際にはいくつかの注意点を押さえておくことが大切です。今回は、双極症の人が働く際に気をつけるべきポイントを解説します。

1. 規則正しい生活リズムを保つ

双極症では、生活リズムが乱れると気分の安定が損なわれやすくなります。特に、睡眠の質や時間が気分の変動に大きく影響するため、仕事と生活のバランスを保つことが重要です。

定時の出退勤を心がける

不規則なシフトや長時間労働は、生活リズムを崩し、気分の波を引き起こすリスクがあります。可能であれば、定時で働ける仕事や、生活リズムに合わせた働き方を選びましょう。

睡眠時間を確保する

睡眠不足は躁状態やうつ状態を悪化させる要因となります。仕事の後はリラックスし、十分な睡眠を取るように心がけましょう。

2. 自分のストレス耐性を理解する

双極症では、ストレスが気分の変動に大きく影響します。過度なプレッシャーや人間関係のトラブルが症状を悪化させることがあるため、ストレスの原因を理解し、対処法を見つけておくことが大切です。

自分の限界を把握する

仕事量やタスクが多すぎると感じた場合は、上司や同僚に相談して調整を依頼しましょう。無理をせず、適度なペースで働くことが重要です。

ストレス発散の時間を確保する

仕事終わりや週末には、趣味やリラクセーションを取り入れることで、ストレスを解消しやすくなります。趣味や運動など、自分に合った方法を見つけてみましょう。

3. 症状に気づいたら早めに対応する

双極症では、躁状態やうつ状態が現れる兆候を見逃さないことが大切です。気分が不安定になる前に、早めに対応することで、症状が職場に影響を及ぼすのを防ぐことができます。

気分の変動を記録する

日々の気分や体調を記録しておくことで、症状の兆候に気づきやすくなります。躁状態が始まると、仕事に過剰に集中してしまうことがあるため、疲れすぎる前にペースを調整しましょう。

早めに専門家に相談する

気分が不安定だと感じたら、すぐに主治医や専門家に相談することが重要です。適切な治療やアドバイスを受けることで、症状をコントロールしやすくなります。

4. 周囲の理解を得る

双極症で働く際には、周囲のサポートが欠かせません。職場での誤解やトラブルを防ぐためにも、信頼できる同僚や上司に自分の状態を伝え、必要なときに助けを求める環境を作ることが大切です。

オープンに話す範囲を決める

双極症について話すかどうかは個人の判断ですが、信頼できる人にだけ伝えることで、職場でのサポートを受けやすくなります。たとえば、「気分の波があるため、忙しい時期には相談させてください」と伝えておくのも一つの方法です。

適切な配慮を依頼する

症状が悪化しやすい時期には、タスクの調整や休暇の取得を依頼することが必要です。職場によっては、産業医や人事部と相談して対応をお願いすることも可能です。

5. 無理のない仕事を選ぶ

双極症の人が働く上では、自分に合った仕事を選ぶことが症状の安定につながります。無理のない範囲で働ける環境を見つけることで、長く仕事を続けやすくなります。

柔軟な働き方ができる仕事

在宅勤務やフレックスタイム制度など、柔軟な働き方が可能な職場を選ぶことで、気分の波に合わせて調整しやすくなります。

自分の強みを活かせる仕事

自分が得意とする分野や興味のある仕事を選ぶことで、モチベーションを保ちやすくなります。興味がない仕事では、気分が沈んだときに集中力を維持するのが難しくなることがあります。

双極症を抱えながら働く際には、自分の症状や限界を理解し、無理のない働き方を選ぶことで、仕事と生活のバランスを保つことができます。また、周囲の理解を得て、必要なサポートを活用することで、安定した日々を過ごしやすくなります。

当てはまるものがあったら

もし、仕事と双極症の症状との両立に悩んでいる場合は、早めに専門家に相談し、自分に合った働き方を探してみましょう。無理をせず、自分のペースで働き続けることで、心の健康と仕事を両立させることができます。

双極症の人が安心して働ける環境を作るためには、自分自身と周囲のサポートが欠かせません。焦らず一歩ずつ、自分らしい働き方を見つけていきましょう。


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