Philosophy企業理念

『心理師を社会のインフラとして根づかせ、医療と福祉の架け橋となることで、安心できる社会をつくる。』
こころに寄り添い、科学で支え、すべての人に安心と再出発の機会を。
『科学に基づいた確かな支援を、誰もが利用できる形で。』
CBTをはじめとする心理支援を「こころの保健室」のように身近にし、質と実績で信頼される仕組み をつくります。
Mission(使命)
『回復・復職・再発予防を仕組み化し、誰もが安心して働き続けられる社会を築く。』
経済状況や社会的背景に関係なく、必要な人に必要な支援を届ける。
Vision(未来像)
- 国内で最も信頼される 復職・再就職支援の基準 を確立する
- 「こころの保健室」を全国に展開し、ただ数を増やすのではなく、質を守りながら広げていく
- 復職後6か月以内の再発率を全国平均比30%以下に抑えるモデルを確立する(現在の全国平均は約45〜50%)
- 認知行動療法を専門的に学んだ心理師のサービスが、全国どこでも受けられる未来 を実現する
- 心理職の専門性を広め、社会の中での役割を拡大する
Values(私たちの価値観)
1)科学に基づく支援
再現性と持続可能性のある方法で支援する
2)利用者一人ひとりに合わせる
生活や職場環境に合った支援を提供する
3)経済的な壁をなくす
公費や助成制度を活用し、誰でも利用できる仕組みをつくる
4)長期的に伴走する
復職や再就職後の安定と成長まで支援を続ける
5)教育と臨床をつなぐ
大学などと協力し、次世代の心理職を育てる
6)地域・企業・行政と協働する
社会全体でこころの課題に取り組む
7)互いを尊重する文化
利用者も支援者も大切にする組織文化を守る
8)基本や学問を大切にする
これまで積み重ねられてきた学問や経験、当たり前のことを丁寧に守り続けることで、安心と信頼を育てる
9)信頼で選ばれる仕組みをつくる
規模拡大が目標ではなく、確かな成果と実績によって自然に選ばれる組織をめざす
社会への寄与
私たちが直面する日本の精神医療の課題
日本の精神医療は、いまだに「脱施設化」が進まず、大きな課題を抱えています。
精神科の病床数は 約33万床 と世界的にも突出して多く(OECD平均の約3倍)[厚労省 医療施設調査 2022/OECD Health Statistics 2023]、そのうち 20万人以上 が1年以上の長期入院を余儀なくされています[厚労省 患者調査 2020]。
その結果、精神科医療費は 年間4兆円超 に達し[厚労省 医療費の動向 2021年度]、国の医療財政を圧迫し続けています。
本来なら地域で生活できる人まで病院に留まってしまう ― この「入院依存」こそが、日本特有の不健全さです。
心理師の新しい役割
国家資格である 公認心理師(約6万人)[公認心理師法 登録簿 2023]は、まだ十分に活用されているとは言えません。
「ただ話を聞く人」という誤解もありますが、実際には 認知行動療法(CBT) をはじめとした科学的に効果が実証された方法を提供できます。
ただし、その認知行動療法は 専門的な訓練を受けた心理師 でなければ十分な効果を発揮しません。
私たち公心会は、そうした高度な研修を修めた心理師が在籍し、確かな臨床実践を積み重ねています。
研究では、心理師による支援により:
- 入院に至る前の段階で悪化を防ぎ、入院率を下げる
- 退院後の支援によって、再発率を 従来の約50%から20〜30%へ低下
できることが示されています[厚労科研 2020/日本認知療法学会誌]。
つまり心理師は、病状の改善にとどまらず 「入院を防ぐ存在」であり、「退院後の生活を支える存在」 です。
私たちの願い
- 日本の精神医療を持続可能にするためには、脱施設化の推進 が不可欠です。
- 心理師を正しく活用すれば、入院率を下げ、退院後の再発も防ぐことができます。
- 心理師を 「社会のインフラ」 として位置づけることが、医療・福祉・経済を健全化する鍵だと考えています。