あいち保健管理センター

Service支援内容

認知行動療法

認知行動療法とは

認知行動療法とは、学習の理論に基づいた行動療法と情報処理の理論に基づいた認知療法を総称した心理療法の事です。

うつ病の治療だけでなく、不安障害(不安症)、PTSD、パニック症、強迫症等、幅広い疾患に対して科学的な効果が認められています。

うつやストレスを抱え込みやすい人は、ネガティブで硬直化した認知(ものの見方やとらえ方)の癖や、不適応に繋がりやすい習慣化された振る舞いや行動パターンがあることが明らかになっています。ストレスを抱え込みやすい人が、ある出来事に対して柔軟なものの見方やとらえ方ができるようになったり、ストレスの少ない適応的な振る舞いができるようになったりすることを支援する治療法のことを認知行動療法といいます。

認知行動療法は、他の心理療法とは異なり、治療者が一方的に正しい考え方や振る舞いを教えるというような治療法でも、流れにまかせて自由に会話して気づきを得るというような治療法でもありません。

認知行動療法は、治療者とクライアントさんとが、今ここで困っていることを話題に取り上げ、その問題解決に向けて共に考えるというスタンスを重視しています。

認知行動療法の基本モデル

認知行動療法は、生活体験の中で生じる具体的な困りごとについて扱っていきます。

例えば、次のような状況を考えてみてください。Aさんが駅前を歩いていたら、友人にばったり出くわしました。挨拶しようと声をかけましたが、相手は視線も合わさず、返事もせずに、そのまま行ってしまいました。こんなとき、あなたはどのように感じますか?

Aさんは、そのような状況に直面して、『友人はきっと私のことを嫌っているんだ』と考え、気持ちが落ち込み、不安になりました。そして不安になればなるほど胸がドキドキして、そのままうつむき、黙り込んでしまいました。

認知行動療法では、生活上の体験を、刺激(環境)と反応(認知・行動・身体・感情)の連鎖としてとらえ、認知・行動の両面からの働きかけによってセルフコントロール力を高め、社会生活上のさまざまな問題の改善や課題の解決をはかります。

Aさんの例では、『きっと私を嫌っている』というネガティブなものの考え方を柔軟にしたり、うつむき・黙り込むという行動パターンを変えたりするようなアプローチを行います。

認知的技法と行動的技法

認知や行動に働きかける技法には以下のようなものがあります。

認知的技法

認知に焦点を当てたアプローチでは、Aさんの落ち込みや不安の感情は、友人からの返事がなかったという状況によって生じたのではなく、Aさんが、その状況を『きっと私のことを嫌っている』と解釈したことによって生じたと考えます。

その上で、『きっと私を嫌っている』というネガティブな認知と矛盾する可能性や事実について検討することで、認知の幅を広げ、気分や行動の変化をうながしていきます。

行動的技法

行動に焦点を当てたアプローチでは、行動とその行動に伴う環境の変化との関係性(随伴性)に注目します。ここでいう環境とは、個人の外側にある環境だけでなく、個人の内側にある認知や感情なども含みます。

行動した後に、良いことや悪いことが、出現したり、消失したりすることで、その行動の生起頻度が増えたり減ったりします。

Aさんは、『友人は私のことを嫌っているので、大声で名前を呼ぶと嫌な顔をされる』という思い込みがあり、うつむき、黙り込むことで、この後、嫌な顔をされる体験が生じるのを回避していました。
嫌なことを回避したり、ネガティブなことばかり考えていると、良いことが減って、嫌なことがどんどん増えていき、気分がますます悪化していきます。

そこで、うつむき黙り込んでしまうのではなく、大声で手を振るなど、別の行動をとることで、環境に何か変化が起こるかどうかを実験してもらいます。もし相手が笑顔で返事をしてくれたのなら、その体験が『きっと私を嫌っている』という認知と矛盾するなによりの証拠にもなりえます。

認知行動療法では、認知的技法や行動的技法を身につけることで、最終的には支援者がいなくても、自ら問題に対処できるようになることを目指します。

認知行動療法が薬よりもうつの再発率が低いのは、このように自分で自分をコントロールできるようになるからだと言われています。

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