あいち保健管理センター

Columnコラム

全般性不安症(GAD)に対する認知行動療法(CBT)とは?

全般性不安症(GAD)に対する認知行動療法(CBT)とは?

全般性不安症(GAD)は、日常的な出来事や将来の不確実性に対する過剰な心配が続く精神疾患です。その治療において、認知行動療法(CBT)は科学的に裏付けられた効果的なアプローチの一つとされています。今回は、CBTの効果とその具体的な治療内容について詳しく解説します。

認知行動療法(CBT)の効果

CBTは、GADの主な症状である「過剰な心配」や「不安感」を軽減する効果が、多くの研究で実証されています。

認知行動療法の実施後、不安や抑うつ症状が軽減し、その効果は終了後も長期間維持されることがわかっています。

CBTで行われる具体的な内容

CBTでは、GADの症状を引き起こす認知的および行動的な要因に焦点を当て、次のような技法を用いて治療を進めます。

1. 認知再構成法

GADの方が抱える「否定的な思考パターン」や「過剰な心配」を特定し、それを現実的で柔軟な思考に置き換える練習を行います。

例えば「最悪の事態が必ず起こる」といった思考に対し、「その可能性は実際に起こる可能性はあるだろうか?」と違う考え方としてとらえなおす練習をします。

2. 問題解決スキルの訓練

日常生活で直面する具体的な課題に取り組むためのスキルを学びます。これにより、不安や心配の原因となる問題に対処できる能力が向上します。

3. エクスポージャー法

GADの方が避けている状況や刺激に徐々に慣れていくことで、不安と上手に付き合う方法を学ぶ方法です。

不安を引き起こす状況に対する耐性が高まり、不安を生じさせる場面を避ける行動が減少する効果が見込めます。

4. リラクゼーション訓練

応用リラクセーション法や深呼吸を用いて、身体的な緊張を和らげ、不安を軽減します。

深く息を吸い、ゆっくりと吐き出す呼吸法や、全身の筋肉を意識的に緩めるスキルを学びます。

5. マインドフルネスとアクセプタンス

マインドフルネスやアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を用い、不安をコントロールしようとするのではなく、受け容れてその中で適切に行動するスキルを身につけます。

6. 行動活性化

日常生活での活動量を増やし、ポジティブな経験を増加させることで、不安や抑うつ症状を軽減します。

まとめ:CBTはGADの有効な治療法

CBTは、GADに対する科学的に実証された治療法であり、多くの患者にとって効果的なアプローチです。

認知再構成法、問題解決スキルの訓練、エクスポージャー法、リラクゼーション訓練、マインドフルネスなど、多様な技法を組み合わせることで、不安を軽減し、日常生活の質を向上させることができます。

当てはまるものがあったら

もし、過剰な不安や心配が続いている場合は、専門家に相談し、CBTを含む適切な治療を受けることをおすすめします。一歩ずつ不安に向き合いながら、生活の質を向上させていきましょう。

CBTは、GADに対して実証された効果を持つ心理療法です。CBTを活用して、不安のコントロール方法を学び、自分らしい生活を取り戻す第一歩を踏み出してみてください。


関連記事

ページのトップへ