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ルーチンを作ることはメンタルに良い効果があるのか?

ルーチンを作ることはメンタルに良い効果があるのか?

生活の中に「決まった流れ」や「いつもの手順」があると、落ち着きやすいと感じる人は少なくありません。朝起きたらコーヒーを淹れる、出勤前に少し散歩する、寝る前に部屋を整えるなど、日々の習慣は人によってさまざまです。

一見すると単なる“いつもの行動”ですが、こうしたルーチンはメンタルヘルスに良い影響を与えることが、行動療法や心理学の観点からも示されています。気分が不安定になりやすい時期や環境の変化が多い時期ほど、その効果が感じられやすくなります。

ここでは、ルーチンが心の働きにどのように関わるのかを整理して考えていきます。

ルーチンは「行動の迷い」を減らし、負担を軽くする

気分が落ち込んでいたり、不安が強かったりすると、普段は迷わずできていた行動が重く感じられることがあります。何をすればいいのか分からない、どこから手をつければいいのか判断しづらいといった状態です。

ルーチンがあると、行動の流れが決まっているため、迷う場面が少なくなります。迷いが減ると、行動までの負荷が軽くなり、動き出しやすくなります。これは行動療法でいう「行動のハードルを下げる」という考え方に近いものです。

ルーチンは、気分に左右されずに行動を始めるための「足場」のような役割を果たします。

一定のリズムが生活全体の安定につながる

生活のリズムが乱れると、睡眠や食事、活動量に影響が出て、その結果、気分にも揺らぎが生じやすくなります。特に、うつ症状や不安があるときは、生活リズムの乱れが症状を強めることがあります。

ルーチンは、こうした生活リズムを整える手助けになります。朝の流れ、仕事に入る前の準備、夜寝る前の習慣など、決まった順番があることで、体内のリズムが整い、気分の浮き沈みが少し和らぐことがあります。

規則的な睡眠や適度な活動量が保たれやすくなることも、気分の安定につながる要因となります。

ルーチンによって「小さな達成」が積み重なる

行動療法では、「できた」という経験を積み重ねることが重要とされています。これは、行動が続くと気分も整いやすくなるという循環を生むためです。

ルーチンは、無理のない範囲で続けられる行動であることが多く、小さな達成を日々積み重ねることにつながります。

  • 朝起きて着替える
  • 朝食をとる
  • 決まっている作業から手をつける
  • 寝る前に短時間読書する

こうした行動は小さなものですが、「今日もできた」という実感を積み重ねやすくなります。

この積み重ねが、行動の停滞を防ぎ、長期的に気分の安定につながることがあります。

ルーチンは「予測できる時間」を増やし、不安を軽くする

不安が強いときは、未来が見通しづらく感じられ、何が起こるか分からないという感覚が不安感を高めます。ルーチンを持つことで、日々の中に「予測できる時間」が生まれます。

予測可能性は、不安をやわらげる働きがあります。

とくに、社会不安がある方や気分が変動しやすい方にとって、日常の中の“変わらない部分”があることは落ち着きにつながりやすくなります。

無理のない範囲でルーチンを作ることが大切です

ルーチンは、あくまで続けやすい範囲で作ることが大切です。複雑な手順を一気に作ったり、完璧にこなそうとしたりすると、かえって負担になる場合があります。

  • 一つの小さな習慣から始める
  • 時間は短くてよい
  • できない日は責めない

こうした姿勢のほうが、ルーチンが生活に馴染みやすく、結果として気分の安定につながりやすくなります。

新年や季節の節目は、ルーチンを見直すよいタイミングになることがあります。生活が変わりやすい時期だからこそ、新しい習慣を少しずつ取り入れることで、毎日の過ごしやすさを作っていくことができます。

必要な時は専門家に相談してください

ルーチンは生活の落ち着きを作る助けになりますが、強い落ち込みや不安が続くと、ルーチンそのものが続けられないこともあります。そのようなときは、一人で抱え込まず、専門家に相談することをおすすめします。

負担の少ない行動を一緒に整理しながら、その人に合ったペースで生活を整えていくことができます。どのような形であれ、自分にとって続けやすい方法を見つけながら、少しずつ日々の安定を作っていけるようお手伝いしていくこともできますよ。


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