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SNSとうつは関係する?上手な付き合い方とは?

SNSとうつは関係する?上手な付き合い方とは?

SNSを使っているとき、気分が重くなることはありませんか。誰かの華やかな投稿を見て、自分と比べてしまう。通知が気になって休んでいても落ち着かない。気づけば長時間スクロールしていて、後で疲れを感じる。こうした経験は、多くの人に共通するものです。

では、SNSの利用はうつ症状とどのように関係しているのでしょうか。ここでは、心理学や精神医学の研究をもとに、その関係性と上手な付き合い方を整理します。

SNS利用とうつの関連

研究では、SNSの過剰な利用がうつ症状と関連していることが繰り返し示されています。特に「他者との比較」が強調されます。他人の成功や楽しそうな様子を目にすると、自分の現状を過小評価しやすくなり、否定的な思考が強まりやすいのです。

また、SNS上で「いいね」やコメントといった反応に依存することも、気分の変動を大きくします。反応が少なかったときに「自分の価値が低いのでは」と考えてしまい、落ち込みにつながるケースもあります。さらに、誹謗中傷やネガティブな情報への接触は、直接的に気分の悪化を招く要因となります。

なぜ影響を受けやすいのか

SNSの大きな特徴は「常に他人の生活が可視化される」という点です。心理学的には、これが「社会的比較」を刺激します。比較そのものは自然な行為ですが、SNSでは成功や幸福の一場面が切り取られているため、自分の弱さや不足が強調されやすくなります。

また、夜遅くまでSNSを利用することで睡眠リズムが乱れ、それ自体がうつ症状を悪化させる要因にもなります。つまり、SNSの影響は心理的な面だけでなく、生活習慣を通じても心に負担をかけるのです。

上手に付き合うための工夫

SNSは完全にやめる必要はありませんが、使い方を工夫することが大切です。
ひとつは「利用時間を制限する」ことです。アプリにタイマーを設定する、寝る前には触らないようにするなど、ルールを決めると効果的です。

もうひとつは「利用目的を明確にする」ことです。情報収集や友人との交流など、具体的な目的を持ってアクセスすると、無目的なスクロールを減らすことができます。

さらに「フォローする相手を選ぶ」ことも重要です。不安や落ち込みを強めるアカウントを避け、自分にとって安心できる内容を発信する人とのつながりを優先することで、SNSとの関係をより健全に保てます。

まとめ

SNSの利用は、便利さや楽しさをもたらす一方で、うつ症状を悪化させるリスクとも関係しています。特に、比較や反応への依存、ネガティブな情報への接触が大きな影響を与えます。大切なのは、SNSそのものを否定するのではなく、自分に合った使い方を見つけることです。

必要な時は専門家に相談してください。もしSNS利用が原因で気分の落ち込みが続いていると感じる場合には、一人で抱え込まず医療機関に相談することが大切です。利用時間を調整し、情報との距離感を意識することで、SNSを生活の中でより健全に活用することができます。


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