あいち保健管理センター

Columnコラム

その症状、うつ病かもしれません

その症状、うつ病かもしれません

こういった症状でお困りの方はいませんか?

  • 持続的な悲しみや空虚感がある
  • 以前は楽しめていた活動に興味を失った
  • 睡眠の問題が続いている(過眠または不眠)
  • 集中力や決断力が低下している
  • 自分に価値がないと感じる
  • 食欲の変動(過食または食欲不振)がある
  • 無気力で疲れやすくなっている

その症状、『うつ病』かもしれません。

うつ病とは

うつ病は、誰もが発症する可能性のある一般的な精神疾患で、感情、思考、行動に広範な影響を与えます。持続的な悲しみや興味の喪失、エネルギーの低下などが特徴的です。うつ病は、生活の質を大きく低下させるため、早期の診断と適切な治療が重要です。

うつ病の症状

うつ病の症状は多岐にわたりますが、以下のような主要な症状がDSM-5-TR(『DSM-5-TR精神疾患の診断・統計マニュアル』)に基づいて定義されています。

  1. 抑うつ気分: 一日中、ほとんど毎日、強い悲しみや空虚感を感じる。
  2. 興味や喜びの喪失: 以前楽しんでいた活動に対する興味や喜びを失う。
  3. 体重や食欲の変化: 食欲の増減に伴う体重の変動がある。
  4. 睡眠障害: 不眠や過眠が続く。
  5. 精神運動の変化: 動作が遅くなったり、逆に落ち着きがなくなる。
  6. 疲労感や無気力: 常に疲れていると感じ、エネルギーが湧かない。
  7. 自己評価の低下: 自分を無価値だと感じる、過度な罪悪感を抱く。
  8. 集中力の低下: 思考がまとまらず、決断力が低下する。
  9. 自殺念慮: 死についての考えや、自殺を考えることがある。

うつ病の原因

うつ病の原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っています。主な要因として以下が挙げられます。

  • 生物学的要因: 遺伝や脳内化学物質のバランスの乱れが影響します。
  • 環境的要因: ストレスフルな出来事や社会的孤立が引き金となることがあります。
  • 心理的要因: 性格や対処方法の違いも影響を与えます。

うつ病の治療

うつ病の治療には、薬物療法と心理療法が中心となります。

薬物療法

抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを調整し、症状を改善します。効果が現れるまでには数週間かかることがあります。

認知行動療法(CBT)

認知行動療法は、うつ病の治療において非常に効果的なアプローチです。以下のような具体的なテクニックが用いられます。

認知行動療法のテクニック

行動活性化

活動を計画的に増やすことで、気分の改善を図ります。

認知再構成法

自分のネガティブな思考を認識し、より現実的な思考パターンを構築します。

エクスポージャー(曝露療法)

恐怖や不安を引き起こす状況に段階的に慣れることで、回避行動を減少させます。

マインドフルネス

現在の瞬間に注意を向け、ネガティブな思考や感情から距離を置く技法です。

リラクセーション技法

ストレスを軽減するために、呼吸法や筋弛緩法などを用います。

問題解決技法

現実の問題に対処するための具体的なステップを学びます。

セルフモニタリング

日々の気分や行動を記録し、改善のためのパターンを見つけます。

当てはまるものがあったら・・・

おひとりで悩まず、誰かにお話ししてみてください。早期の診断と適切な治療で、うつ病は改善することができます。専門家に相談することで、あなたに最適な治療法を見つけることができるでしょう。


関連記事

ページのトップへ