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Columnコラム

【双極性障害(双極症)について】その特徴と、経過について

【双極性障害(双極症)について】その特徴と、経過について

双極性障害(双極症)について―その特徴と症状―

 双極性障害と診断されるためには、躁症状が認められることが前提にあります。躁症状は、「躁」と「軽躁」に分けられ、その違いは「質」と「量」における程度の違いです。

 双極性障害Ⅰ型は躁と鬱を伴い、Ⅱ型は軽躁と鬱を伴います。。

 軽躁は躁と違って社会的な問題に発展しにくく、患者本人や周囲の人も気づきにくいものですが、Ⅱ型の方がⅠ型よりも生きやすいというわけではありません。Ⅱ型の患者はⅠ型の患者よりも鬱の症状によって悩まされることも多く、軽躁が自覚されにくいために症状をコントロールすることにも抵抗や困難を感じる人が多いのです。

 代表的な躁の症状には、これまでやらなかったようなことを急に思いつきでやってしまうような行動の質的変化や、これまでやってきたことに今まで以上に過剰に取り組むなどの行動の量的変化が認められます。また、認知面においても、アイディアが次から次へと思い浮かぶ、誇大感や万能感が感じられる、疲れを感じにくくなるなどの症状があります。

 鬱の症状としては、だるさや思考力・集中力の低下、ネガティブな気分や物事への億劫さが顕著に認められます。双極性障害の場合は、躁の時に入れたたくさんの予定をこなすことが出来なくなり、躁の時に行動しすぎた反動があることも特徴的です。

診断に至るまで

最初はうつとして診断を受けることが珍しくありません。

なぜなら、躁の時には自分の行動や思考が病的であるという自覚が乏しいからです。うつの症状で動けなくなるなど、生活上の支障を自覚して初めて受診し、その後の経過の中で躁の症状が発現したり、躁のエピソードが判明したりする中で、双極性障害に気づくこともあります。また、多くのⅠ型患者は入院を経験します。

躁の程度の違いによって、自分の障害に気づくタイミングも異なってくるのです。

双極性障害に気づいた後の治療について

薬物療法を中心として、「心理教育」「認知療法」「家族療法」「対人関係・社会リズム療法」などの心理療法が補助的に適用されます。

心理教育は、双極性障害の自覚が乏しい患者や双極性障害を受け入れられない患者に対して特に導入されるべきものです。障害について客観的に理解し、自身のこれまでの経験と符合する点が自覚されることによって、患者のアドヒアランスを高めていくことができます。また、対人関係の問題や、生活リズムの問題、物事に関する患者特有の捉え方の問題が複合的に絡み合って、症状を悪化させることもあり得ます。そのため、これらの心理・社会的な側面に対する治療を患者が積極的に受け入れられるようになることを治療者は目指します。

最後に、双極性障害の患者にとって、自分の障害を理解しサポートをしてくれる他者の存在が特に重要になります。家族や友人、職場の上司や同僚、治療者など、多くのサポート資源を得ながら、自分の障害と上手に付き合っていく方法を探っていくことが、治療目標の要点です。


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