うつ病/大うつ病性障害(Major Depreessive Disorder)は、2週間以上にわたって、
- 抑うつ気分や意欲の低下
- 著しい体重の変化
- 不眠や過眠
- 焦燥感
- 疲れやすさ
- 無価値感
- 思考力や注意力の減退
- 自殺念慮
などの症状が続き、著しい苦痛または社会生活や職業生活上に重大な機能障害をきたしている状態で、DSM-5-TRでは、抑うつ症群(Depressive Disorders)として分類されています。
うつ病の発症
日本では100万人以上がうつ病で医療機関にかかっていて、約16人にひとりは、生涯に1度はうつ病になるともいわれています。
うつ病は誰もがかかる可能性のある身近な病気ですが、うつ病の発症には明確な引き金がないことも多く、慢性的なストレスに曝された後に発症することがあります。
ストレス環境から離れてもすぐに症状は改善せず、抑うつ気分があるときには、楽しいことがあってもそれを楽しむことができません。
うつ病の治療
うつ病の治療には、休養の他、薬物療法、認知行動療法などがあり、薬物療法と認知行動療法を組み合わせることで、治療の効果や再発予防の効果が高まると言われています。
うつ病は再発率がとても高い疾患で、一般に初発の人の再発率は約50%、2回目の再発率は約70%、3回目の再発率は約90%になると報告されており、再発を繰り返すたびに、その後の再発率が上昇しています。
そのため、復職・再就職支援においても、再発予防はとても重要で、症状が改善したというだけで焦って復職してしまうと、すぐに症状が再燃してしまいます。
うつ病になると、ネガティブな思考にとらわれて、適応的な行動が抑制され、問題解決を先延ばしにしたり、適切なサポートを得られなくなってしまうことがあります。
認知行動療法では、ネガティブな考えにとらわれて反芻したり、非機能的な振る舞いを続けるのではなく、柔軟にものごとを考え、自らが望む結果を得ることができる適応的な行動を選択できるようトレーニングを行います。
うつ病は慢性的なストレスや疲労による心の骨折のようなものです。焦って復帰することで、再び症状を悪化させるのではなく、しっかりとリハビリをすることが再発予防にとっては重要です。