「仕事がつらい。でも辞められない」「家に帰っても気が休まらない」「どこにも居場所がない気がする」。働きながらそんなふうに感じたことはありませんか。
厚生労働省の令和5年「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活に強い不安やストレスを感じている労働者の割合は82.7%にのぼります。それでも気持ちが楽にならないとしたら、「逃げ場がない」と感じる理由が今の仕事だけにあるのではないからかもしれません。
この記事では、在職中に追い詰められてしまう背景を一緒に見つめながら、少しでも気持ちが軽くなるヒントをお伝えします。
働きながら「逃げ場がない」と感じてしまう背景とは
在職中だからこそ、プライベートの状況が苦しさに拍車をかける
「逃げ場がない」と感じるとき、その原因は仕事だけではないことが少なくありません。経済的な理由で実家に戻っているけれど家族に悩みを打ち明けにくい、友人との付き合いが減って話せる相手がいない、自分だけの安心できる空間がない。在職中はこうしたプライベートの状況が重なりやすく、「仕事がつらくても、ここにいるしかない」という閉塞感が強まりやすいものです。
仕事の悩みだけなら「転職」や「異動」が選択肢になるかもしれません。しかし生活の基盤に不安があると、そうした選択肢すら現実的に感じられなくなることがあります。仕事とプライベートの両方から逃げ場がふさがれていく感覚は、在職中だからこそ起きやすいといえるかもしれません。
育ってきた環境が「助けを求めにくい自分」に影響していることも
「人に迷惑をかけてはいけない」「弱音を吐くのは恥ずかしいことだ」「自分のことは自分で何とかしなければ」。こうした考え方は、子どもの頃からの経験を通して身についたものであることが少なくないといわれています。厚生労働科学研究の報告でも、子ども時代の困難な体験が成人後のメンタルヘルスに影響を及ぼし得ることが示されています。
これは親や家庭を責めるお話ではありません。「助けを求めにくい自分」には背景があるのかもしれないと気づくことが、自分を責めることから少し離れるきっかけになることがあります。
もともとの特性と職場環境が合わないとき、在職中でも追い詰められやすくなる
人との会話で緊張しやすい、周囲の刺激に敏感、急な予定変更にうまく対応しにくい。こうした特性は決して珍しいものではありません。ただ、その特性と職場環境が合わないとき、他の人と同じように過ごしているつもりでも、疲労やストレスが大きくなりやすいことがあります。
困りごとが重なると「自分はダメだ」「どこに行っても同じだ」という考えが浮かびやすくなることがあります。厚生労働省の「こころの耳」では、同じストレスでも特性や経験によって感じるつらさの大きさが異なるという「ストレス脆弱性」の考え方が紹介されています。「逃げ場がない」と感じるのは心が弱いからではなく、特性と環境と経験が重なった結果である可能性があります。
在職中に「もう限界かも」と感じたら確認してほしいサイン
心と体は、負荷が大きくなるとさまざまな変化が現れることがあります。以下のような状態が続いている場合は、心身が休息やサポートを求めているサインかもしれません。
- 朝、起き上がるのに強い抵抗を感じる
- 出勤前に涙が出たり、動悸がしたりする
- 以前は楽しめていたことに興味がわかない
- 「自分はダメだ」と繰り返し考えてしまう
- 休日に休んでも疲れが取れず、翌週が怖い
在職中は「みんな我慢しているのだから」と蓋をしてしまいがちですが、こうした変化は心と体が出している大切なサインです。まずは受け止めてみることが大切です。
「逃げ場がない」と感じている自分に気づくことが、回復への第一歩になる
在職中に追い詰められているとき、多くの方が「自分が頑張れないのが悪い」と感じてしまいがちです。しかし、厚生労働省の認知行動療法マニュアルでは、回復に向けた最初のステップとして「まず自分のストレスに気づいて、問題を整理すること」が挙げられています。
つまり、「逃げ場がない」と感じていること自体に気づき、その背景を整理することが、回復に向かう出発点になり得るのです。
当センターのカウンセリングでも、心理師と一緒に「今、自分がどんな状態にあるのか」を丁寧に見つめていくことから支援が始まります。認知行動療法では自分で自分の状態をコントロールできるようになることを目指しており、それが薬物療法と比べてうつの再発率が低いとされる理由の一つでもあります。
実際に当センターをご利用いただいた方からも、「自分を客観的に捉えられるようになった」「困ったことをまず相談できる安心感が支えになった」といった声をいただいています。カウンセリングを通じて自分の状態に気づき、問題を整理できたことが、働き続けながら回復に向かうきっかけになったケースも少なくありません。
「逃げ場がない」と感じていることに気づけたあなたは、すでに回復への一歩を踏み出しているのかもしれません。
在職中でも会社に知られずにカウンセリングは受けられる?
在職中の方がカウンセリングをためらう大きな理由に、「会社に知られないだろうか」という不安があるのではないでしょうか。この不安そのものが、逃げ場をさらに狭めてしまうことがあります。
当センターでは、ご本人の同意なくカウンセリングの内容や利用の事実が勤務先に伝わることはありません。プライバシーポリシーにおいて、ご本人の同意がある場合や法令に基づく場合を除き個人情報を第三者に開示しないことを明記しています。
施設面でも安心してご利用いただけます。当センターは自社ビルで運営しており、カウンセリング用の個室は13室ございます。相談室は防音に配慮した設計で、お話の内容が外に漏れる心配はありません。待合スペースもプライベート性に配慮しています。
初回カウンセリングは無料です。公認心理師が対応し、認知行動療法を中心としたアプローチで支援を行っています。「自分の特性を理解したい」「生きづらさを整理したい」。そうした思いを、安心してお話しください。
まとめ
在職中に「逃げ場がない」と感じるとき、その原因は職場環境だけにあるとは限りません。プライベートの状況、育ってきた環境、もともとの特性が重なり合い、その感覚が生まれている可能性があります。だからこそ、自分を責める必要はありません。
そして、「逃げ場がない」と感じている自分に気づけたこと自体が、状況を変えていく大切な一歩です。カウンセリングを通じてその気づきを深め、問題を整理していくことで、働きながらでも回復に向かえるケースがあります。
当センターでは初回カウンセリングは無料です。会社に知られる心配もありません。「ちょっと話を聞いてもらいたい」という気持ちがあれば、お気軽にお問い合わせください。
引用元・参考文献
- 令和5年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概要|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r05-46-50b.html - こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト|厚生労働省
https://kokoro.mhlw.go.jp/ - うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf - 逆境的小児期体験が子どものこころの健康に及ぼす影響に関する研究|厚生労働科学研究成果データベース
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2019/192011/201907005B_upload/201907005B0011.pdf


