「最近、気持ちが落ち込むことが多い」「人間関係がうまくいかない」「将来への不安が消えない」。このような悩みを抱えていても、「カウンセリングを受けるほどではないかも」と一人で抱え込んでしまう方は少なくありません。
しかし、カウンセリングは特別な人だけが受けるものではありません。心の健康を保つための「予防的なケア」として、多くの方に役立つものです。
このコラムでは、カウンセリングが必要と考えられる人の特徴や受けるべきタイミング、得られる効果について解説していきます。
カウンセリングって何?心のケアの基本を知ろう
専門家があなたの心に寄り添う仕組み
カウンセリングは、心理職(公認心理師・臨床心理士など)を含む支援者との対話を通じて、悩みの整理や対処を支援する方法です。
カウンセラーが一方的に答えを提示するのではなく、あなた自身が自分の気持ちや考えを整理し、自分なりの答えを見つけていく過程を、専門的な知識と技術でサポートします。カウンセラーには守秘義務があり、話した内容が外部に漏れることはありませんので、安心して本音を語ることができます。(ただし、ご自身や他者の生命に危険が及ぶ可能性がある場合は、安全確保のために必要な対応をとらせていただくことがあります。)
心療内科・精神科とカウンセリング、何が違うの?
「カウンセリング」と「心療内科・精神科」の違いについて整理しましょう。
心療内科・精神科
心療内科や精神科は医療機関であり、医師が診察を行います。主に薬物療法を中心とした医学的治療を行い、診断書の発行や休職の手続きも可能です。医療機関によってはカウンセリングを併設しているところもあります。症状が重く日常生活に支障が出ている場合は、まず医療機関を受診することをおすすめします。
カウンセリング
一方、カウンセリングは心理的なサポートを提供する場です。医療行為ではないため薬の処方や診断書の発行はできませんが、対話を通じて心の整理や問題への対処方法を一緒に考えていきます。予防的なケアや自己成長を目的とした利用にも適しています。
なお、心療内科や精神科に通院しながら並行してカウンセリングを受けることもできます。薬物療法で症状を安定させながら、カウンセリングで心理的な課題に向き合うという、両方のアプローチを組み合わせることで、より効果的な回復が期待できる場合もあります。
カウンセリングが必要な人に見られる7つの特徴
以下のような特徴がある方は、カウンセリングを受けることで心が楽になったり、問題が整理されたりする可能性があります。
悩みや不安を一人で抱え込んでしまう
「誰かに話したら迷惑をかけてしまう」「自分の悩みなんて大したことない」と考えて、一人で悩みを抱え込んでしまう方は少なくありません。
特に、友人や家族に心配をかけたくないという気持ちから、本音を隠してしまう方もいます。悩みを一人で抱え続けると、心の負担はどんどん大きくなり、やがて心身の不調につながってしまうことがあります。カウンセリングでは、第三者であるカウンセラーに対して遠慮なく本音を話してください。
「もっと頑張らなきゃ」が口癖になっている
「もっと頑張らなきゃ」「これくらいできて当然」と自分に厳しい基準をつくり、無理を重ねてしまう方も、カウンセリングが役立ちます。
真面目で責任感が強い方ほど、限界を超えても頑張り続けてしまい、気づいたときには心身が疲弊している。そのようなケースは珍しくありません。仕事で成果を出さなければならないというプレッシャーや、周囲の期待に応えようとするあまり、自分の体調や気持ちを後回しにしてしまうことがあります。
カウンセリングでは、無意識のうちに自分に課している「〜すべき」という思い込みに気づき、より柔軟な考え方を見つけるサポートを行います。
「自分なんてダメだ」と思ってしまう
「自分はダメな人間だ」「どうせうまくいかない」といったネガティブな考えにとらわれやすい方は、自己肯定感が低下してしまっている状態かもしれません。
過去の失敗体験や辛い出来事が積み重なると、自分自身を肯定的に見ることが難しくなり、何をするにも「自分には無理だ」と思い込んでしまうことがあります。
カウンセリングでは、ネガティブな思考パターンがどのように形成されたかを振り返り、より現実的でバランスの取れた見方を身につけるサポートを行います。
人付き合いが苦手で疲れやすい
「人とうまく話せない」「相手の反応が気になって疲れる」「職場の人間関係がストレス」。人間関係やコミュニケーションの悩みは、多くの方が抱える課題です。
カウンセリングでは、あなたのコミュニケーションスタイルの特徴を理解し、無理なく人と関わるための方法を一緒に考えていきます。また、自分の特性を理解することで、「自分に合った環境」を見つけるヒントも得られるかもしれません。
薬を飲んでいるけど良くならない
すでに心療内科や精神科に通院していて薬を飲んでいるのに、なかなか症状が改善しない。そのような場合は、カウンセリングを並行して受けることで、より包括的なケアが可能になることがあります。
薬物療法は症状を和らげる効果がありますが、それだけでは十分な改善が得られない場合もあります。その際は、主治医に相談のうえで心理療法やカウンセリングの併用を考えてみてください。
やめたいのにやめられない習慣がある
「夜更かしをやめたいのにやめられない」「暴飲暴食をコントロールできない」など、自分でもやめたいと思っているのに変えられない習慣がある場合、その背景には心理的な要因が関係していることがあります。
これらの行動は、不安やストレスから一時的に逃れるための対処法となっている可能性があります。カウンセリングでは、行動の背後にある心理的な要因を探り、より健康的な対処方法を見つけるサポートをします。
辛いけれど、どうしていいかわからない
「毎日が辛い」「なんとなく生きづらい」と感じているけれど、何が原因なのか、どうすればいいのかわからない。そんな漠然とした苦しさを抱えている方も、カウンセリングの対象です。
心の不調は「なんとなく調子が悪い」「モヤモヤする」といった曖昧な感覚であることも多いです。カウンセリングでは、このモヤモヤした気持ちを言葉にしていくプロセスを大切にします。対話を重ねる中で、少しずつ自分の気持ちが明確になり、対処する方法も見えてくると思います。
今こそ相談を!カウンセリングを受けるべきタイミング
生活環境に大きな変化があったとき
転職、引っ越し、結婚、離婚、家族との別れなど、生活環境に大きな変化があったときは、心が不安定になりやすいです。
たとえ良い変化であっても、新しい環境への適応にはエネルギーが必要です。こうした変化の時期こそ、カウンセリングで自分の気持ちを整理し、新しい環境に適応するためのサポートを受けることが有効です。
忘れられない辛い出来事がある
事故、災害、ハラスメント、いじめなど、強いストレスとなる出来事を経験した後、その影響が長く続くことがあります。
「あの出来事のことを思い出すと動悸がする」「悪夢を見る」といった反応が現れる場合、強いストレス体験の影響を受けている可能性があります。前職での人間関係のストレスや業務負荷で体調を崩した経験も、心理的に大きな影響を及ぼすことがあります。
カウンセリングでは、こうした辛い体験を安全な環境で少しずつ扱い、心の回復をサポートします。
長い間、同じ悩みがずっと続いている
数ヶ月、あるいは数年にわたって同じような悩みを抱え続けている場合も、カウンセリングを検討してみてください。
「いつも同じパターンで人間関係がうまくいかない」「何度転職しても長続きしない」。こうした繰り返しのパターンには、無意識の思考や行動の傾向が関係していることがあります。
カウンセリングでは、このパターンを客観的に見つめ直し、どこを変えれば状況が改善するかを一緒に探っていきます。長年の悩みだからこそ、専門家のサポートを受けることで新しい視点が得られるかもしれません。
カウンセリングが必要かどうかのセルフチェック
チェックリストで確認
自分がカウンセリングを受けるべきかどうか迷ったときは、以下のチェックリストを確認してみましょう。これらの項目に当てはまるものがある場合、カウンセリングが少しでもあなたの助けになると思います。
- 眠れない日が続いている、または寝すぎてしまう
- 食欲がない、または食べ過ぎてしまう
- 集中力が続かず、仕事や勉強が手につかない
- 楽しいと感じることが減った
- 些細なことでイライラする
- 自分を責めることが多い
- 人と会うのが億劫になった
- 将来のことを考えると不安になる
- 体がだるく、疲れが取れない
- 友人や家族との会話が苦痛に感じる
これらの項目に一つでも当てはまる場合、カウンセリングを受けることを一度考えてみてください。特に、複数の項目に当てはまる場合や、一つでも強く当てはまると感じる項目がある場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
大切なのは、項目の数ではなく、あなた自身が「辛い」「助けが必要だ」と感じているかどうかです。たとえ一つしか当てはまらなくても、その一つがあなたにとって大きな負担になっているのであれば、遠慮なくカウンセリングを受けて構いません。
迷ったときの判断ポイント
カウンセリングを受けるべきかどうか迷ったときは、以下の基準を参考にしてみてください。
- 日常生活に支障が出ている(仕事、家事、人間関係など)
- 2週間以上、同じ悩みが続いている
- 誰かに話を聞いてほしいと思っている
- 自分一人では解決できないと感じている
- 身近な人に相談しにくい内容である
「これくらいで相談していいのかな」と遠慮しないことが大切です。カウンセリングは「重い症状の人だけのもの」ではありません。早い段階で相談することで、問題が深刻化する前に対処できることも多いです。
迷ったときは、「まず一度話を聞いてもらう」という気軽な気持ちで相談してみてはいかがでしょうか。
カウンセリングで得られる3つの変化
モヤモヤが晴れて心がスッキリする
カウンセリングの最も基本的な効果は、「話すことで気持ちが整理される」ことです。
頭の中でぐるぐると考え続けていた悩みも、言葉にして誰かに話すことで、心が軽くなることがあります。カウンセラーは相談者の話を丁寧に聴き、気持ちを受け止めてくれます。「理解してもらえた」と感じられることで、孤独感が和らぎ、前向きな気持ちを取り戻すきっかけになります。
「自分らしさ」が見えて前向きになれる
カウンセリングを続けていくと、「自分はどんな人間なのか」「何が得意で何が苦手なのか」といった自己理解が深まっていきます。
特に、「自分の特性に合った職場で働きたい」と考えている方にとって、この自己理解は非常に重要です。複数の業務を同時進行することが苦手なら一つずつ取り組める仕事を選ぶ、対人業務に不安があるなら少人数の職場を選ぶなど、具体的な選択ができるようになります。
さらに、自己理解が深まると、自然と行動も変わってきます。「こういう場面では無理をしない」「こんなときは助けを求めよう」といった、自分を守るための行動が取れるようになるのです。
自分で問題を乗り越える力がつく
カウンセリングでは、目の前の問題を一緒に考えるだけでなく、「問題に対処する力」そのものを育てることも目指します。
たとえば、認知行動療法では、「出来事→思考→感情→行動」というつながりを理解し、自分の思考パターンを柔軟に変えていく方法を学びます。この技術を身につければ、カウンセリング終了後も、自分で問題に対処できるようになります。
また、ストレスへの対処法も、カウンセリングで学べる重要なスキルです。リラクゼーション法、気分転換の方法、ストレスを溜め込まないコミュニケーション技術など、実生活で使える具体的なテクニックを習得することができます。
知っておきたい!カウンセリングを受ける前の注意点
病院に通っているなら、まず主治医に相談を
すでに心療内科や精神科に通院している場合、カウンセリングを受ける前にまず主治医に相談することをおすすめします。
医師とカウンセラーが連携することで、より効果的な治療やサポートが可能になります。特に、精神科に通院予定がある方は、受診時にカウンセリングについても相談してみてください。医療機関によっては、院内でカウンセリングを提供している場合もあります。
変化は少しずつ現れるもの
カウンセリングは、1回や2回で劇的に変わるものではありません。継続的に通うことで、少しずつ変化が現れてきます。
焦らず、じっくりと自分と向き合う時間を持つことが大切です。
また、カウンセリングの過程では、一時的に辛い気持ちが強まることもあります。これは、今まで目を背けていた問題に向き合うプロセスであり、回復に向かう過程の一部です。そんなときこそ、カウンセラーとしっかり話し合いながら進めていきましょう。
カウンセラーとの相性も重要
カウンセリングの効果を高めるためには、カウンセラーとの相性も大切です。
「なんとなく話しにくい」と感じる場合は、無理に我慢せず、別のカウンセラーに変更することも考えてみてください。多くのカウンセリング機関では、初回の面談で相性を確認することができます。「この人なら安心して話せそう」と思える相手を見つけることが、カウンセリング成功の第一歩です。
まとめ
カウンセリングは、「特別な人」だけが受けるものではありません。誰もが人生のどこかで、心のケアを必要とする瞬間があります。
悩みや不安を一人で抱え込んでいる方、自分に厳しく無理をしている方、人間関係に悩んでいる方。そんなあなたの気持ちを、カウンセリングという場で安心して話してみませんか?
カウンセリングを通じて自分自身を理解し、自分に合った生き方を見つけることができれば、きっと今よりも楽に、自分らしく生きられるようになるかもしれません。
あなたの心の健康を守ることは、あなた自身の大切な権利です。必要なときには専門家の力を借りることが、より良い未来への第一歩になると思います。
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