現在、名古屋市には多くのカウンセリングルームがあります。
選択肢が多いことで利用者は自分に最適なカウンセリングルームを選ぶことができますが、一方でどこに行けばいいのか迷ってしまうことはないでしょうか?
営業時間や料金の違いはなんとなくわかるけど、いまいちピンとこない・・・という方も多いと思います。
「どのカウンセリングルームに行けばいいんだろう?」
「自分に合ったカウンセリングを受けたい。」
そのようなお悩みを持つ方のために、この記事では自分に合ったカウンセリングルームを選ぶためのポイントについて解説します。
カウンセリングルームを選ぶ選ぶ5つのポイント
今回は5つの観点でカウンセリングを選ぶポイントについてご紹介いたします。
それぞれの観点でカウンセリングルームを吟味し、自分に合ったカウンセリングを見つけましょう。
ポイント①:カウンセリングルームの種類を知ろう
カウンセリングルームにはお客様のニーズやどのようなアプローチでお悩みを解決していくかという部分でさまざまな種類があります。
まずはカウンセリングルームの種類について知り、ご自身がどのようなニーズでどのようなアプローチが適しているのかを考えていきましょう。
以下はカウンセリングルームの一例です。
- 人間関係や恋愛に関する相談など、日常的な悩みを扱うカウンセリングルーム
- うつ病や不安障害などの精神疾患に特化したカウンセリングルーム
精神科・心療内科に行くには抵抗があるけど、なんだか心が疲れている、話を聞いてほしい、という場合には①のような気軽に受けられるカウンセリングルームがおすすめです。
一方、すでに精神疾患の診断のある方や、もしかしたら精神疾患があるかもしれない、という方は心療内科や②のように心理学に基づき精神疾患に特化したカウンセリングルームがおすすめです。心理検査などを行うカウンセリングルームもあるため、興味がある方はそちらも選ぶ際に確認してみてください。
心理学に基づいたカウンセリングで使用される心理療法には様々な種類があり、以下にいくつかの例をご紹介します。専門的な内容にはなりますが、それぞれのアプローチには異なる特徴があり、効果が現れるまでの時間も異なります。
興味のある方はぜひ一度この観点からも自分に合いそうかどうか検討してみてください。
認知行動療法
認知(思考)と行動の関係を重視して心理的問題を解決しようとするアプローチです。人は自分の考え方によって感情や行動が大きく影響される、という考えに基づき、問題の原因や影響よりも、その問題を引き起こす思考パターンや行動パターンに焦点を当てた心理療法です。
幅広い精神疾患や問題に対して効果が認められており、特にうつ病、不安障害、パニック障害、摂食障害などの治療に有効性が示されています。
短期間で効果が現れやすく、具体的な技法があり、クライアントとカウンセラーの協力的な作業が可能である場合に適しています。
精神分析
個人の無意識的な心の深層にある要因を理解し、それを解明することで心理的問題を解決しようとするアプローチです。
人間の心は意識、前意識、無意識の三つの領域から成り立っており、特に無意識の領域によって行動や感情が大きく影響される、という考えに基づき、無意識に抑圧された過去の経験や感情、欲望を解放し、それによって現在の問題や症状を軽減または解決する心理療法です。
比較的長期間の治療が必要とされ、クライアントとカウンセラーの関係が非常に深くなることが一般的です。
ポイント②:カウンセラーの資格を確認しよう
カウンセリングに関連する資格は公認心理師や臨床心理士など国家資格から民間資格までさまざまあります。
精神保健福祉士や産業カウンセラーといった資格も一つの指標となります。
カウンセリングを行う上で資格は必須ではありませんが、もし担当となるカウンセラーがどのような資格を持っているか事前にわかる場合には、一度確認してみましょう。
公認心理師
2017年から導入された、日本の心理系資格唯一の国家資格です。
心理学の専門知識を持ち、臨床やカウンセリング技術を習得していることの証明となります。
この資格の誕生により、「心理師」という名称の使用は公認心理師の資格を持っている者のみ許可されることとなりました。(混乱を避けるため「心理士」は引き続き誰でも使用可能)
臨床心理士
心理学の知識と技術を用いて、心理的な問題や障害を持つ方やその家族に対してカウンセリングなどの専門的な支援を提供する資格です。
公認心理師と共通点が多いですが、こちらは公認心理師より前から存在する民間資格です。
もともと臨床心理士を持っており、公認心理師の導入にあたってそちらも取得したという方も少なくありません。
精神保健福祉士
精神的な問題や障害を持つ方や、その家族に対して精神保健支援を行う国家資格です。
精神医学や心理学、社会福祉学などの幅広い専門知識を持ち、精神的な問題や障害に対する理解と対応能力がある証明となります。
産業カウンセラー
主に働いている方を対象とし、働く人々が自らの力で問題を解決できるように援助を行う民間資格です。
メンタルヘルス対策、職場環境づくり、キャリア開発が主な業務となります。
ポイント③:クチコミや評判をチェックしよう
最近はGoogleで企業の名前を検索すると、その会社へのクチコミが見られるようになりました。
カウンセリングルームの名前で一度検索してみることをおすすめします。実際に利用した方のリアルな声を読むことができ、ホームページでは得られなかった情報も得られるかもしれません。
ただGoogleのクチコミは誰でも投稿できてしまうため、全て鵜呑みにしてしまうのもよくありません。一つの投稿だけで決めてしまうのではなく、複数のクチコミに目を通してから判断しましょう。
また、もしお知り合いにカウンセリングルームを使用したことがある方がいる場合は直接その人から聞いてみるのもおすすめです。日本ではまだカウンセリングに行くという文化が浸透しておらず、聞きづらいと感じる方もいるかもしれませんが、実際に知っている人からのクチコミは信頼できるものです。
そのような方が周りにいる場合はぜひチャンスと思って相談してみてください。
ポイント④:アクセスや交通の便も要確認
定期的にカウンセリングに通う場合、アクセスのしやすさが重要です。通いが面倒に感じて途中で辞めてしまうことがないよう、自宅からの距離や最寄り駅からの便利さも考慮に入れましょう。
もし一度しか行くつもりがない場合でも、将来再びカウンセリングを受けたいと思うことがあるかもしれません。その際に同じカウンセラーであれば、相談も円滑に進められます。心が疲れている時や元気が出ない時、通いやすさはとても重要な要素となります。
一般的に多くのカウンセリングルームでは開始時間と終了時間が決まっています。早く到着してしまって手持ち無沙汰になってしまった、ということがないよう近くに喫茶店などくつろげるスペースがあるとなお良いでしょう。
電車などの公共交通機関を利用する場合は駅からの近さもポイントです。あまり慣れない土地であればなおさらです。カウンセリングを受けるにあたって余計なストレスはなるべくなくしておきましょう。
車で行く際には駐車場の有無も事前に確認が必要です。特に時間帯や曜日によっては、駐車スペースが限られている場合もありますので、可能であればあらかじめ問い合わせをしておくとスムーズです。
ポイント⑤:初回相談や料金体系はさまざま
現在、名古屋市のカウンセリングの相場は、1時間あたり5,000円〜10,000円ほどとなっています。
これを聞いて、「なぜそんなに高いの?」と疑問に思われた方もいらっしゃるかと思います。カウンセリング料金については一般的な決まりがなく、それぞれのカウンセリングルームが独自に決定しています。また、一般的なケガなどとは違い保健適用外となるケースが多いことも原因の一つです。
ほとんどのカウンセリングは保健適用外ですが、精神科等で医師がカウンセリングの必要性があると判断した場合など、治療の一環として行われるカウンセリングは保健適用となります。
また、障害福祉サービスとしてカウンセリングを行なっている施設もあり、その場合は毎月の負担上限額内でカウンセリングが可能です。 なかには初回相談時は割安または無料としているカウンセリングルームもあります。
ホームページやリーフレットなどに料金表を載せているカウンセリングルームもありますので、ぜひチェックしてみてください。
もちろん安ければよいというものではありません。他のポイントの良し悪しや、定期的に通う場合は総額なども踏まえ、負担にならない範囲でご自身に合ったものを選びましょう。
カウンセリングに行く前の準備
ご紹介させていただいたポイントを踏まえ、ぜひ一度カウンセリングルームを見比べてみてください。
さて、自分に合ったカウンセリングルームを見つけ、予約ができたら後はどうしたらいいでしょうか?
初めて利用する場合でも担当のカウンセラーが丁寧に説明してくれますが、カウンセリング時間には限りがあります。時間を有効に使って意義のあるカウンセリングを受けたい方は、事前に準備も行なっておくと良いでしょう。
自分のニーズについて整理
カウンセリングに何を求めているかは人それぞれです。
例えば、ただ話を聞いてほしい、悩みを解決したい、自身の精神疾患とうまく付き合えるようになりたい、など、自分が何を求めているかを整理してみましょう。
自分のニーズを明確にすることで、カウンセリングの目標が明確になります。そして、担当のカウンセラーと目標を共有することで、カウンセリングを有意義なものに近づけることができます。
カウンセリングで何について話したいのかの整理
カウンセリングで全てを話す必要はありません。話したくないことは話さなくても構いません。
一方で、話したいことがあるのにうまく言葉にまとまらない、ということもあると思います。
もちろんそのような場合でも、カウンセラーは言葉にできるようサポートしますので、負い目に感じる必要はありませんが、一度一人で時間をたっぷり使って振り返ってみると、自分がしっくりくる言葉でまとめることができることもあります。メモにまとめて持ち込んでも大丈夫です。
ぜひ一度自身の悩みやカウンセリングの目的について考えてみてください。
まとめ
この記事ではカウンセリングルームの選び方について解説いたしました。
抱えている悩みは人それぞれ異なり、最適なカウンセリングルームもまた異なります。様々な観点からカウンセリングルームを比較し、検討してみてください。
ご覧になっている方がご自身にぴったりのカウンセリングルームを見つけられることを心から願っています。
あいち保健管理センターについて
あいち保健管理センターでは、公認心理師による認知行動療法に基づいたカウンセリングを提供しています。
初回相談は無料で行っていますので、ぜひご検討ください。2回目以降の利用の際も、障害福祉サービスをご利用の方であれば上限負担額内でご利用可能です。
地下鉄「新栄町駅」から徒歩4分で通えるため、お気軽にお越しいただけます。もし道に迷われた場合でもお気軽にお電話ください。
「自分に合っているかわからない・・・」という方もぜひ一度お問い合わせください。
ホームページ上からご予約も可能です。